2017年02月20日

[韓国]金正男暗殺に関する報道

 13日に金正男氏がマレーシア・クアラルンプルの空港で暗殺されてから1週間が経ちました.KBSのニュースでは,日本のメディアが入手したという犯行時の空港の防犯カメラの動画が紹介されています.自動チェックイン機のそばで,まずひとりの実行犯の女が正男氏の背後から顔に何かを被せ,直後にもうひとりの実行犯の女が,正男氏の前を横切るようすが映っています.

 犯行にかかった時間はわずか2.3秒.かなり熟練した工作員の仕業に見えますが,彼女たちは北朝鮮とは関係の無い現地で雇われた人で,これまでも日本のテレビ局の“びっくりカメラ”のような番組の撮影だと言われて,同じような行為を何度か行っていたようです.ですので,暗殺について何も知らされておらず,知らぬ間に実行犯に仕立てられていたようですが,それにしても鮮やかな手口です.

 この映像には,犯行直後に正男氏が助けを求めて,空港の医務室に案内される姿も映っています.このときはまだ正男氏は自分で歩いていて,大きく健康を害しているようには見えません.正男氏は医務室に行った後に意識を失くし,運ばれて30分後に亡くなったようです.実行犯に健康被害がなかったことからも,犯行に使われた毒物は即効性があるものではないことが窺えます,

 マレーシアの警察が犯行に使われた毒物を調べていますが,まだ特定されていないようです.ある程度時間が経ってから効き目のある毒物を使ったのは,心臓麻痺などの自然死と見せかけるためだったようです.暗殺の実行にも工作員が直接関わることなく,毒物も特殊なものを使うことで,暗殺をそれとは悟られないようかなり周到に計画していたと思われます.

 二人の実行犯の背後には5人の北朝鮮の男がいたことが伝えられています.うち,現地で身柄を確保されたひとりを除して,すでに帰国したとマレーシアのメディアは伝えています.彼らは犯行の数時間後にはマレーシアを出国し,17日にピョンヤンに到着したようです.かなり遠回りした上に,飛行機でピョンヤンへ行くのによく使われる北京発のルートではなく,ウラジオストクからピョンヤン入りしたのは,追跡を困難にさせる目的の他に,,この問題に中国を巻き込むのを避けたものと,KBSは伝えています.

 今回の暗殺で,北朝鮮が中国との間で大きく関係を悪化させることはなさそうです,しかし,中国は事件後に北朝鮮からの石炭の輸入を中止しており,それは今回の暗殺と何らかの関係があるのかもしれません.それより深刻なのは,北朝鮮とマレーシアの関係悪化です.

 北朝鮮は正男氏の遺体の引渡しを要求しましたが,家族に優先的に引き渡されるべきだとマレーシアは断わっています.まだ検死中ですし,何より自国で暗殺事件を起こされたマレーシアとしては,北朝鮮に怒りを覚えるのは当然です.今夜,正男氏の長男のハンソル氏がマレーシア入りしたと伝えられており,遺体の今後についてはこれから進展がありそうです.

 暗殺といえば,人目につかない場所で秘密裏に実行されるというイメージが私にはありましたが,多くの人々が行き交い,防犯カメラも至るところに設置されているであろう空港で行われるのは大胆としか言いようがなく,とても驚かされました.北朝鮮は核やミサイルも着実に技術力を高めていますが,暗殺の手法や毒物に関しても例外ではないようで,恐ろしいとしか言いようがありません.

 今回の金正男氏の暗殺は,これで金正恩の体制固めがいっそう進むという見方がある一方,むしろ逆方向に進むのではという見方もあるようです.金正恩の5親等以内の“ロイヤルファミリー”が亡命し,韓国行きを目指しているという報道もあります.北朝鮮が暴発することなく政権が弱体化して,さまざまな問題の解決の糸口が見えてくることを期待したいと思います.
posted by kajiritate webmaster at 23:00| Comment(0) | 日記
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