2016年10月27日

[韓国]パク大統領,最大のピンチ到来

 退陣も免れないような大きな危機が,パク・クネ大統領の目前に迫っています.

 事の発端は,ある財団の設立でした.「문화재단 미르」(文化財団ミル,ミル財団)と「케이스포츠 재단」(Kスポーツ財団)の2つの財団の設立に際し,文化体育観光部がわずか1日という異例の速さで許可を出していたことや,전국경제인 연합회(全国経済人連合会)から両財団に多額の寄付がなされていたことに疑惑を抱いた検察は,両財団の設立に青瓦台(大統領府)が不正に関与しているのではないかと,今月5日に捜査を始めました.

 この疑惑の中心人物が,최순실(チェ・スンシル)という女性です.ドイツ在住で,韓国メディアの取材陣が現地入りして彼女の家などを取材しようとした頃にはすでに娘とともに雲隠れしていました.娘は乗馬の選手として知られていて,梨花女子大に乗馬の推薦枠で入学しています.しかし,彼女が入学する前には梨花女子大に乗馬での推薦枠は無く,彼女のためだけに特別に設けられた疑いが持たれています.さらに最近になって,彼女は高校時代ほとんど高校に出席していなかった疑いも浮上しています.

 チェ・スンシル氏が単に財団設立や娘の大学入学で不正を疑われているのなら,パク大統領が危機に陥るほどのことではなかったはずです.パク大統領は,父親の故パク・チョンヒ元大統領が1979年に暗殺され,その前年には,パク元大統領を暗殺しようとした暴漢の銃弾を受けた母親も亡くしていました.母と父と相次いで亡くした当時のパク・クネ氏の心の支えになったのが,パク元大統領と親しかった牧師の娘のチェ・スンシル氏だったといいます.

 そのチェ・スンシル氏が,単なるパク・クネ大統領の親しい知人というだけでなく,韓国の国政に大きく関与していた疑いが強まり,パク大統領はその事実を認めて国民に謝罪する声明を出しました.


●박근혜 대통령, 최순실 의혹 대국민 사과 발표 / YTN 2016/10/25

 24日には,ドイツで取材を続けていたテレビ局のJTBCが,チェ・スンシル氏の自宅に捨てられていたタブレットPCを発見し,その中から韓国政府の文書と見られる資料が多数見つかったことが伝えられました.資料は外交や国防から韓国政府の人事まで多岐に渡っていて,チェ・スンシル氏が国政のあらゆる面に関与していたことをうかがわせています.それでなくても,国政に関わる文書を発表前に流出させることは,韓国の法律に抵触します.

 結局,一民間人のチェ・スンシル氏が,いわば影の大統領とも言える存在だったことが明らかとなり,パク大統領の信用は失墜してしまいました.韓国は来年に大統領選挙を控え,パク大統領の任期も残りわずかですが,場合によってはパク大統領が退任に追い込まれて選挙の時期がさらに早まる可能性も出てきました.

 チェ・スンシル氏は今もドイツ国内に留まっているようで,彼女とのインタビューに成功した세계일보(世界日報)がきょう27日の朝刊で伝えたところによると,タブレットPCは自分のものではなく,自分は扱い方も分からないと弁解しているようです.

 チェ・スンシル氏はこの他,ソウル・カンナム(江南)に所有する複数のビルの資金の出所にも疑惑を持たれていたり,彼女がドイツに複数設立している会社が,税金逃れのためのペーパーカンパニーだという疑惑もあり,今後のマスコミの取材や検察の捜査の進展次第では,パク大統領を巻き込んだ大事件に発展しそうな雰囲気です.
 
posted by kajiritate webmaster at 21:05| Comment(0) | 日記