2016年10月20日

[韓国]KBSはネット視聴でも受信料を徴収できるか?

 朝日新聞はきのう19日の朝刊の一面トップで,総務省が2019年にもテレビ放送をネットで同時配信することを全面解禁する方針との記事を掲載しました.同記事が朝日新聞デジタルにも掲載されています.有料記事ですが,Yahoo!ニュースでは同記事の全文を閲覧できます..

●テレビ、ネット同時配信へ 法改正で19年にも全面解禁(朝日新聞デジタル)Yahoo!ニュース 10月19日

 KBSは作夜9時のニュースで,早速このことを伝えていました.イギリス・BBCが専用のネット視聴アプリでも受信料を徴収しはじめたことから話が始まるように,リアルタイムでもオンデマンドでもずっと前から配信を続けているKBSの関心事は,NHKもネット視聴に受信料を課すかにあるようです.

●日, ‘인터넷 TV 시청’도 수신료 징수(KBS News)2016.10.19

 1997年のIMF危機以降,経済立て直しの一環として韓国はインターネット網の普及に力を入れました.その甲斐あって,2000年前後には家庭やPC방(PCバン,ネットカフェ)で一般の人々がネットに接する環境が整い,韓国の各放送局もその頃からテレビやラジオのネット配信を行っていました.

 放送のネット配信だけでなく,インターネット黎明期の韓国ではネット上のあらゆるサービスが無料で公開されていました.その数年後にマネタイズが意識されるようになり,地上波のオンデマンドサービスや有力紙のPDFサービスが有料化されはじめます.

 この頃は個人や小さな組織が運営するネットラジオも大流行しました.しかしいつまでも無料で続けるには無理があり,マネタイズがうまく行かなかったネットラジオ局は次々と姿を消しました.MBCやSBSのサービスも次第に有料化が進む中,KBSは高画質ものなどを除いて,現在も一部でテレビのオンデマンドサービスを無料で続けています.KBSは元国営放送で今でも受信料を徴収していることが,ネットサービスの全面有料化に歯止めをかけているのかもしれません.

 KBSは民放ほどに広告収入を期待できず,今後も受信料は収入の柱のひとつと考えているのは間違いなさそうです.ですので,既存の放送局もネット配信へと移行する動きが世界的に起きている現状で,ネット視聴でも受信料の聴取が可能かという点は,日本でのNHKに当たる韓国のKBSもかなり気になっているようです.

 KBSは他にも,番組の合間でCMを流すいわゆる중간광고(中間広告)の解禁も切望しているようです.番組の品質維持のため,韓国では地上波の番組の途中でCMを流すことが許されていません.しかしKBSは,より質の高い番組を制作する財源の確保のためにはむしろ,中間広告の解禁が必要と考えているようです.tvNやMnetなど,ケーブルテレビ局には中間広告の規制が適用されず不公平だという点も,その理由になっているようです.

 地上波の民放の他,ケーブルテレビ局やJTBCやチャンネルAなどの総合編成チャンネルなど国内にも多数ライバルが存在する上に,ネットフリックスなどネット配信専門の海外参入も控え,今後さらに競争が激化しそうな放送業界で,大手のKBSも安泰ではいられないようです.

posted by kajiritate webmaster at 22:00| Comment(0) | 日記