2016年10月07日

[韓国]ハングルの日関連の話題のつづき

 10月9日のハングルの日を前に,ハングルや韓国語に関する報道が増えているようだとの記事を前回書きました.その後もハングル関連の記事をたくさん目にしましたので,その中から3つを取り上げてご紹介したいと思います,

 まずは,ハングル学会が1日「조선말 큰사전」(朝鮮語大辞典)をサイト上に公開したという記事です.記事にはPDFファイルを公開すると書かれていますが,サイト上で電子書籍のように閲覧できるようになっており,ファイルのダウンロードが可能なのかはよく分かりませんでした.

한글학회, '조선말 큰사전' 전 6권 파일로 공개(노컷뉴스)2016-10-06

 「조선말 큰사전」(単に「큰사전」というのが正式名称のようです)は,まだ朝鮮半島が日本の植民地だった頃にハングル学会の前進の朝鮮語学会が編纂を始めた辞典です.ところがあと数年で太平洋戦争が終戦となり朝鮮半島が開放されるいうところで,メンバーが次々と捕らえられるなど朝鮮語学会は大弾圧を受けます.開放前後の混乱で編纂中の原稿が一時行方不明になりましたがソウル駅の倉庫から偶然発見され,編纂が再開されて出版されました.今回,出版された全6巻の「큰사전」が,ハングル学会のこちらのページで公開されることになりました.

 次は,アイスクリームなどでお馴染みの「빙그레」(ピングレ)が6日,自社の独自フォントの公開を始めたという記事です.標準と太字の2書体で,TTF(ウィンドウズ用)とOTF(Mac用)の2種類があります.それぞれ,exe形式とzip形式の2タイプが公開されています.小さな壷型の「바나나맛 우유」(バナナ味牛乳)のプラスチック容器に印刷されている文字のように,線が太く丸みを帯びた書体です.

빙그레, 한글 글꼴 '빙그레체' 무료 배포(연합뉴스)2016/10/06

 最後に,「ハングル」という名前の謎に迫るコラムです.朝鮮半島特有の文字を「한글」(ハングル)と名付けた人は誰で,それがいつのことたったのか,といった詳しいことはよく分かっていません.韓国の有名な国語学者の一人,주시경(チュ・シギョン,周時経)が多分「한글」の名付け親だろうとは言われているのですが,次のコラムでは,최남선(崔南善)が名付け,それを주시경が受け入れたことで「한글」とという名前が広がったという説が韓国の学会では有力だと,ある大学教授がお書きになっています.

[우리말 톺아보기] ‘한글’이라는 이름(한국일보)2016.10.06

 ハングルは1443年,当時朝鮮の王だった세종(セジョン,世宗)によって作られ,その3年後の1446年に公布されました.ですので,今年で公布570年を迎えます.公布時の名称は「훈민정음」(フンミンジョンウム,訓民正音)で,ずっとそれが正式名称でした.しかし今では「한글」(ハングル)という名前が広まり,それが学術の世界でも使われています.

 日本では長年「諺文」(おんもん)と呼んできましたが,今では日本でも「ハングル」という名前が定着しています.しかし,「한글」と呼ばれ始めてからはまだ百年前後しか経っておらず,570年の歴史から見れば「한글」とは呼ばれていなかった時代のほうが,はるかに長いことになります.
posted by kajiritate webmaster at 22:09| Comment(0) | 日記