2016年09月08日

[PC]KSコードの変な漢字

 パソコンなどの電子機器で韓国語を扱うためのKSコード(KS X 1001)には,ハングル2350字と漢字4888字が定義されています.現在使われているハングルの字母を組み合わせると,理屈上は11,172文字のハングルが考えられるのですが,それには全く使われることのないものも含まれています.現実的には,2350文字のハングルがあれば,韓国語の表記に困ることはまずないはずです.

 ハングルよりも多くの漢字がKSコードに含まれていることを意外だと感じる方は,たくさんいらっしゃるかもしれません.漢字が使われることがほとんどなくなった韓国で,今では文字通り無用の長物だといえそうです.これほど多くの漢字が定義されているのは,KSコードが定義された頃にはまだ漢字が必要だと考えられていたからかもしれません.

 韓国の漢字音は日本でいう音読みだけで,原則として訓読みはしないはずです.しかし例外は何にでもあるようで,KSコードに含まれる漢字にも,日本でいう訓読みで収録されている漢字があります.それは「串」です.韓国での漢字音は本来「관」(クヮン)で,日本の音読み「カン」と似ているのですが,それとは似ても似つかない「곶」(コッ)という読みの順序でKSコードに定義されています.

 「串」という漢字から,日本ではやきとりや串カツ,あるいはバーベキューのような串刺しの料理に使う棒を思い浮かべる方が多いと思います.ですが「곶」と読む場合の「串」は,岬のように突き出した地形を意味します.ですので,韓国では地名によく使われています.当サイトの韓国地名一覧の中には,“○串”という地名が20あります.

 語源を生かしてハングル表記すれば「곶」が正しいようですが,20の地名に使われている「串」のうち,6つはㅈ(チウッ)パッチムではなくㅅ(シオッ)パッチムの「곳」という表記になっています.実際の発音を考えると,結局はどちらでも同じになります.

 韓国語でやきとりのことは「닭꼬치」(タクコッチ)といい,串料理一般は「꼬치」(コッチ)といいます.「곶」と「꼬치」,とても良く似ています.語源をたどれば同じかもしれません.だとすると,「串」という漢字は韓国では一見串料理とは無関係のようで,実は間接的につながっていると言えなくもないように思えます.

 KSコードには他にも,ん?と思える漢字が含まれています.最も違和感があるのは「円」で,「엔」(エン)という読みの順序で定義されています.「円」の正字体は「圓」ですし,読みは「원」(ウォン)ですので,日本の通貨単位の「円」の表記のためだけに定義された(あるいは,間違えて入れてしまった)ことは明らかです.

 駄話が長くなりましたので,今回はこのへんで….
posted by kajiritate webmaster at 23:12| Comment(0) | 日記