2016年08月17日

[北朝鮮]朝鮮全土にIPTV(?)普及中!

 연합뉴스(聯合ニュース)はきょう17日,北朝鮮でもIPTVように動画を視聴できる機器が登場したことを伝えています.“만방”(マンバン)という名前の機器で,この機器を電話回線とテレビに接続すると,回線を通して地上波のテレビ放送をリアルタイムで視聴できるのはもちろん,北で편집물(編集物)と呼ばれる過去の放送のクリップなども視聴できるVOD機器のようです.

 記事によると,この“만방”のしくみや利用方法,視聴可能なコンテンツなどを紹介する映像が,朝鮮中央テレビで放送されたとのことです.

북한에도 IPTV 등장?…'망TV 열람기 만방' 소개(연합뉴스)2016/08/17

 朝鮮中央テレビのユーチューブチャンネルには見あたりませんでしたが,“우리민족끼리”(我が民族同士)のサイトで,この動画が公開されていました.

망TV다매체열람기 《만방》(우리민족끼리)2016-08-16

 연합뉴스の記事では,신의주(シニジュ,新義州)市の利用者の話だけが簡単に紹介されていますが,動画には他にも사리원(サリウォン,沙里院)市などに取材に行ったようすも含まれています.신의주にある平安北道情報通信局の女性に取材した話では,신의주市の“만방”視聴者は数百名とのことですが,신의주市の人口はWikipediaによると約36万人(2008年)ですので,まだ一部の特権階級や富裕層にしか普及していないことがうかがえます.

 コンテンツには金日成の回顧録をはじめ,北の体制に沿う内容のコンテンツが多く含まれていることは想像に難くありませんが,신의주の一般家庭の取材のシーンで登場する73歳の女性は,若い頃見た映画を見ることができる喜びを具体的な映画名を挙げながら取材に答えていますので,ふつうに楽しめるコンテンツも結構あるのかもしれません.

 “만방”だけでなく,この動画の最後に登場する奇妙な形の建物にも興味をひかれ調べてみました.映像からピョンヤンを流れる대동강(大同江)の中州のようでしたので,グーグルマップで見て쑥섬というところらしいことまでは分かったのですが,そこには建物らしいものがありません.しかし,マップを衛星写真に切り替えると,動画と同じ建物が確かにあります.

 もう少し調べてみて,その建物が“과학기술전당”(科学技術殿堂)という,昨年できたばかりの建物だと分かりました(나무위키の記事).사리원の家庭のシーンのナレーションで,“만방”で“과학기술전당”を見ることができてよかったという高級中学校の学生の話が紹介されていますので,それにちなんで最後にこの映像を入れたと思われます.

 しかし,この機器の名前“만방”というのはどういう意味なのか…? 조선말대사전には,全ての国すなわち万国という意味の“萬邦”と,全てのものを意味する“萬方”の2つの漢字語が掲載されていますが,そのどちらかの意味なのか,これらとは無関係に付けた名前なのかは分かりません….

 他にも,ADSLなどではなく単なる電話回線で高画質の動画を伝送できるのか,とか,연합뉴스の記事の写真でも確認できるハングルのキー配列が,韓国のキーボードのそれとはちょっと違う,とか,ちょっと気になるところがありますが,すでに長くなりましたので今回はこのへんで…

【追記】
 우리민족끼리のユーチューブチャンネルでも動画が公開されていましたので,ご紹介しておきます.


●망TV다매체열람기 《만방》

posted by kajiritate webmaster at 23:09| Comment(0) | 日記