2016年07月25日

[韓国]낙원삘딍(ナグォン(楽園)ビル)

 私はなるべくKBSの夜9時のニュース“뉴스9”を見るようにしていて,ユーチューブでライブ配信している“KBS World 24”を利用して視聴しています.日曜日は,뉴스9の前の夜8時の時間帯に“다큐 공감(ドキュ共感)”というドキュメンタリー番組を放送しています,‘다큐’は‘다큐멘터리(ドキュメンタリー)’という外来語の略です.日曜の夜には1TVで放送されているこの番組の他,KBS2TVでも“다큐멘터리 3일(ドキュメンタリー3日)”という,ちょうどNHKの“ドキュメント72時間”のようなドキュメンタリー番組を放映しています.

 きのうは何となくその時間帯から視聴していると,見慣れた建物が映し出されました.종로(チョンノ)の탑골공원(タプコル公園)の交差点から北に入り,인사동(インサドン)のほうに反れずにそのまま真っ直ぐ行くとある낙원상가(ナグォン(楽園)商店街)です.この建物はふつうのビルとは違って道路をまたぐように立っていて,出入り口がどこかよく分からなかったのと,楽器商ばかりあるというのを聞いて,近くに行くことはあっても中に入ったことはありません.その付近は観光地がたくさんあることも,あえて낙원상가に行かなかった理由かもしれません.

 しかしその番組を見ていて,建物自体にもかなり魅力があることが分かりました.楽器商が集まっているだけでなく,外観からはよく分かりませんが,地下には食品を扱うちょっとした市場があり,何より,この建物は商業施設だけでなく아파트(アパート)とも一体になった,いわゆる주상복합(住・商複合)型の建物だということを,この番組で初めて知りました.1969年の建立当時からあると思われるエレベーターが,今でも現役な姿も見ることができました.もう50年近くなったこの建物,これまで再建築の話が出たこともあったそうです.ですが建物はかなり頑丈に建てられているようで,検査のためコンクリートを円柱状にくりぬいたサンプルには,한강(ハンガン,漢江)で採取されたという小石がしっかり詰まっていました.

 番組は,アマチュアフォークバンドの쌍토스(サントス)のメンバーが集まり活動を再開することを中心に進行していきます.낙원상가内のコーヒーショップのような場所で演奏を始めると,そこに居合わせた人々は,それに釘付けになっていました.쌍토스は1978年,MBC대학가요제(大学歌謡祭)に出場した実力のあるバンドですが,それぞれの生活のため活動は中断していたようです.メンバーはすでに60代になり,大学生の頃に訪れていた낙원상가を盛り上げることも兼ねての再結成のようです.

 話を낙원상가そのものに戻すと,建立当時は特に楽器商専門というわけではなかったようですが,1970年代に周辺の楽器商が낙원상가に集まりはじめ,今では他に無いほど大規模の楽器専門の商店街になったとのことです.ですので,楽器に興味のある方なら理屈抜きで楽しめると思いますが,ビル自体の建築物としての魅力もかなりのもののようです.次の記事では,番組でも紹介されていたアパート部分の吹き抜けによる採光を写真で確認できます.

[김경민의 도시 이야기] <7> 낙원빌딩과 낙원아파트(프레시안)2013.08.07

 韓国語を勉強している者としては.建物入り口の“낙원삘딍”という表記に目を惹かれます.上の記事によると,当時の外来語表記法によるものとのことですが,果たしてそのとき外来語表記法が存在したのかどうか…? Bを‘ㅃ(サンピウプ)’で表記しているのは納得できますが,母音‘ㅢ’が使われているのは何か理由があるのかどうか…? こちらも上の記事の写真で確認できますが,他では見たことがない実に味のある字体で,これまで낙원상가に入ろうとせず,そのため“낙원삘딍”と記された実物を見ることもなかったことが,今更ながら悔やまれます….


#한국(韓国)
#낙원상가(ナグォン(楽園)商店街)
posted by kajiritate webmaster at 22:17| Comment(0) | 日記