2016年07月02日

[韓国]안전불감증(安全不感症)

 このところの大雨で,韓国各地でも被害が出ているようです.きのう1日は,延世大学校の中央図書館が水浸しになる映像などがニュースで流れていました.図書館の地下の部屋の屋根から滝のように水が流れ落ち,その下にあるパソコンがまるで滝に打たれるような映像で,部屋にいた学生が大慌てで避難するようすが映っていました.延世大は正門から真っ直ぐ伸びる백양로(白楊路)の地下化を行いましたが,その工事の影響と,図書館の排水路が機能しなかったことが原因ではないかと疑われているようです.

 日本の場合,特に都市部ではかなり大きな集中豪雨になっても雨水があふれ出さないように,地下に巨大な貯水や排水の設備を備えています.韓国でもそのような対策が次第に整ってきているようですが,さまざまな面で万一に備えて見えないところまでしっかり対策ができているかというと,日本のレベルにまでは及ばない部分がまだあるようです.

 2014年,チェジュ(済州)島に修学旅行に向かう大勢の高校生を乗せた세월호(セウォル号)の沈没事故が起き,そのから数ヶ月間は経済が低迷したり,テレビ局がバラエティー番組の一部を放送自粛したりして,事故の関係者だけでなく韓国全体が暗く落ち込んでしまいました.세월호沈没の原因は,船が旋回したときに積んでいた荷物が荷崩れしてバランスが取れなくなったためだといわれています.大型のフェリーなどでは旅客の乗用車なども含めて,航行中に荷物が動かないようにしっかり固定するのが常識ですが,세월호ではそれがきちんと守られていなかったようです.

 その頃から,安全に対する認識不足を指す“안전불감증(安全不感症)”ということばがよく聞かれるようになりました.フェリーだけでなくさまざまな安全性に対する意識が高まりましたが,今も韓国でその状態が維持されているのか私にはよくわかりません….ただ,安全対策にはコストがかさみ,ふだん役に立たないものにもお金や手間をかけようという意識は,日本に比べて低いように感じられます.

 つい最近も,建物の非常扉の外側に何の施設もなく,非常時に2階以上の非常扉から避難しようとしてそのまま外に墜落・負傷する事故が相次いでいるというニュースを見かけました.非常口の設置は法律で決まっていても,避難設備までは法の定めがないため,非常扉だけしかなくても法令上は問題がないようです.私が語学留学中に宿泊していた고시원(考試院,簡単な宿泊施設)は,2階と3階,4階と5階の間には非常階段がありましたが,3階と4階の間にはありませんでした….表面上は韓国は日本とよく似ているとはいえ,やはり日本と同じ感覚で過ごしていてはだめなんだなあとしみじみ感じました.

 国の内外を問わずどこでもそうでしょうが,非常事態では自分の身はまずは自分で守るという気構えは,韓国でも重要だと思います.


#한국(韓国)
posted by kajiritate webmaster at 22:44| Comment(0) | 日記