2016年07月01日

[韓国語]B-TOPIKはどこへ行ったか?

 韓国語能力試験(TOPIK)は一時期,“B-TOPIK”という試験も実施していました.방문취업제(訪問就業制)といって,韓国内で働くことを希望する韓国系の方々が通常の就労ビザよりも有利な条件で入国できる制度のためのものでした.国外居住の韓国系の方で韓国内には縁故者がいない場合,この制度に従って入国の申請をして選抜されれば방문취업제の対象者として韓国に入国できるのですが,申請の条件のひとつがB-TOPIKを受験して一定以上の点数をクリアすることでした.B-TOPIKの‘B’は“business(ビジネス)”のBです.

 B-TOPIK導入前は,当時のKLPT(現在のKLAT)が中国など韓国系の住民が多いところで“B-KLPT”という試験を実施していて,B-KLPTが방문취업제でのB-TOPIK同様の役割を担っていました.ところが,2007年にB-TOPIKが導入され,いきさつはよくわかりませんがB-KLPTの機能を引き継ぎました.これにより,TOPIKには数万人のB-TOPIK受験者が加わり,一気に受験者数が増加しました.その後もB-KLPTは実施されていましたが,韓国での就業条件とは関係のない単なる語学試験となり,KLPTはB-KLPTの受験者の大半を失って大打撃を受けたはずです.

 B-TOPIKが実施されていた間,前からあったTOPIKの試験は“S-TOPIK”と呼ばれるようになりました.‘S’は“standard(スタンダード,標準)”のSです.韓国語では“일반한국어능력시험(一般韓国語能力試験)”と呼ばれていました.B-TOPIKは日本でも実施されていましたが日本は방문취업제の対象国ではなかったため,その点では受験する意味はありませんでした.当時はTOPIK(S-TOPIK)は初級・中級・高級の3つの試験が実施さていましたが,初級にも作文問題がありましたので,それが苦手な方にとっては作文のないB-TOPIKは受験しやすかったようです.

 B-KLPTを引き継ぐ形で始まったB-TOPIKは,2011年に廃止になり,その役割はまた別の試験に引き継がれました.現在は“EPS-TOPIK”といい,노동부(労働部)が管轄しています.試験の実施などの実務は,노동부傘下の한국산업인력공단(韓国産業人力公団)が担当しているようです.TOPIKとはありますが,日本でも実施されているTOPIKとは別の試験です.

 一方,KLPTはKLATと名前を変えて現在も続いていますが,外国人学習者向けの韓国語の試験としては残念ながら知名度が今ひとつのようで,日本で昨年まで試験を実施していた団体が解散して,今年になって日本では受験できなくなっています.日本の公式サイトもなくなったようで,今では韓国公式のサイトの日本語のページに飛ぶようになっています.日本ではハングル検定とTOPIKの知名度が大きく,それ以外の韓国語の試験は受験者の確保などが難しいのかもしれませんが,何とか息を吹き返して欲しいものです.


#한국어(韓国語)
#검정시험(検定試験)
posted by kajiritate webmaster at 23:44| Comment(0) | 日記