2016年05月17日

[韓国語教育]語学堂の級はなぜ6段階か?

 韓国には大学併設や民間の韓国語教育機関が多数あります.特徴や教育内容はさまざまだと思いますが,そのほとんどは1〜6級の6段階の過程になっています.

 大韓民国の成立以降,初めて外国人向けの韓国語教育を本格的に行ったのは延世大学の語学堂といわれていて,1959年に始まりました.その頃は,初級・中級・高級のような3段階の過程だったようです.その後,各級を2つに分けて6段階になり,他の韓国語教育機関もそれに倣って開設されたようです.

 しかし,各教育機関ごとの難易度の差がはっきりせず,同じ級でも教育機関が違えば受講者の習熟度が同じとは言えませんでした.1997年に始まった韓国語能力試験(TOPIK)も1〜6級の6段階で行われていますが,これが韓国語教育のレベルのめやすにも活用されるようになり,今では韓国語教育機関の級もだいたいTOPIKの難易度を参考に設定されているようです.

 延世大学の語学堂は,当初はキリスト教の布教活動に来た宣教師が主な受講者でしたが,次第に在日コリアンの受講者が増えていったようです.しかしそれでも受講者は多くなく,その後,受講者が増えるきっかけとなる出来事が何度かありました.

 ひとつは1988年のソウルオリンピック開催で韓国への注目が高まった前後で,高麗大学の韓国語教育機関はこの頃開設されました.当時はまだ延世大学,ソウル大学など,韓国語教育機関は数えるほどしかなかったようです.1990年代になってから,次第に他の大学も韓国語教育機関を設けるようになりました.

 いわゆる韓流ブームで,2000年代の前半には日本人の受講者が一時的に急増した時期があったようです.ただ,その後すぐに中国人の受講者が多数を占めるようになり現在に至ります.多くは韓国での大学入学や就業を目的とした中国人や,中国に住む朝鮮族のようです,

 大韓民国と中華人民共和国が国交を結んだのは1991年で,それ以前は当然,中国人は韓国に入国できませんでした.それからわずか10年あまりで,観光客を含めて日本人以上に中国人が韓国を訪れることになるとは想像した人はほとんどいなかったと思います.朝鮮戦争では敵同士だったことを考えるとなおさらで,これこそ“격세지감(隔世の感)”といえそうです.


#한국어교육(韓国語教育)
#어학당(語学堂)
posted by kajiritate webmaster at 21:00| Comment(0) | 日記