2016年03月23日

[남한말・북한말]벚-/벗- … 南北で異なる“桜”のつづり

 日本も韓国も春めいてきて,桜の開花の便りも聞かれるようになりました.韓国で代表的な春の花といえば,黄色い花が連なる개나리(ケナリ,れんぎょう)ですが,いつからか韓国でも桜を愛でる人が増えたようです.

 昔から有名な桜の名所は韓国南部の진해(チネ,鎮海)で,日本の植民地時代に軍港が設けられ,おそらく桜もその頃に植樹されたものと思います.ソウルでは여의도(ヨイド,汝矣島)の桜が有名ですが,満開は4月末以降になると思います.

 北では桜がどの程度親しまれているのかは,よくわかりません….「桜」を意味する“ボッ”のハングルのつづりは,南北で少し異なります.南では“벚꽃(ボッコッ,桜の花)”,“벚나무(ボンナム,桜の木)”のようにㅈ(チウッ)パッチムでつづりますが,北では“벗꽃”,“벗나무”とㅅ(シオッ)パッチムでつづります.発音は南北同じでそれぞれ [벋꼳],[(벋나무→)번나무] です.

 桜の実,つまり「さくらんぼ」のことは南北とも“버찌(ボッチ)”とつづりますが,南の場合は“벚꽃”などの“벚-”は“버찌”と同じ語源で“벚-”が「桜」という意味を持っており,語源の意識がまだ失われていないと見て“벚-”とつづります.一方,北ではもうその語源の意識は失われていると見て,発音のみを考慮して“벗-”とつづるようです.

 なお [ㄷ] と発音される終声は,そう発音される特別な理由が無いものはㅅパッチムでつづると南の正書法では定められていますが,北でもそうなのかは…? ただ,“벗-”を見る限りでは北でも同じのようです.

 反対に,北では語源を尊重し,南では発音を尊重したつづりにしているものに「鶏卵」があります.北では“닭(タク,にわとり)”と“알(アル,卵)”をそのままくっつけて“닭알”とつづり,発音は [달갈(タルガル)] ですが,南では発音されているとおり“달걀(タルギャル)”とつづります.

 ハングル検定公式の試験ガイド書籍「合格トウミ」の単語リストには,南北でつづりが異なる単語は両方とも記載されています.初級や中級の試験対策ではそこまで細かく意識する必要はありませんが,たまにはこんな点にも思いをめぐらせてみると何か面白い発見があるかもしれません.


#한국어(韓国語)
#조선어(朝鮮語)
posted by kajiritate webmaster at 23:13| Comment(0) | 日記